H25年度研究進捗報告

 本ユニットでは、大都市における大規模災害時を想定した情報システムの構造や情報支援のあり方について検討を進めるとともに、要救助者の位置推定の開発、そして他ユニットと連携した開発を実施した。

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(1)災害時情報支援システムの開発(QOLユニットと連携)

【目   的】災害発生時にすれ違い通信により、避難行動を利用して災害状況を避難所などへ伝搬・集約する手法、公開データを活用した情報配信を行う手法、地域住民によるボランティア活動などを支援するための情報支援システムを開発する。

【現状・課題】ボランティアの募集情報と各ユーザのスキルをマッチングするシステムの構成について検討し、スキル情報のラベル付に利用可能なLODなどについて調査を行った。QOLユニットと共同し、趣味・スキルの登録管理および、該当する趣味・スキルを持つ人に情報を提供するマッチングシステムのプロトタイプシステムを構築した。マッチングシステムの構成要素のうち、避難所などに設置して住民などの個人情報管理・情報提供を行う部分を担当する非公開サーバ(仮称)の仕様を策定し、企業に開発を依頼した。

 

(2)ヒューマンインタフェースの開発(QOLユニット、環境衛生ユニットと連携)

【目   的】スマートフォンやタブレットPCを用いた情報支援用ヒューマンインタフェースの開発を行う。ここでは、情報支援システムのための可視化インタフェースの開発や災害発生後の廃棄物処理における意思決定を支援するためのヒューマンインタフェースの開発を行う。

【現状・課題】次に述べる廃棄物搬送問題を解くことにより得られた経路情報に基づき、トラックを用いた搬送の可視化の開発を行った(図1)。今後は、各処理施設での処理状況などを表示しながら、計画の妥当性を評価することができるシステムの開発を行う。

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図1 搬送シミュレータによる可視化

 

(3)廃棄物運搬システムの開発(環境衛生ユニットと連携)

【目   的】廃棄物発生場所やその発生量、処理場の場所や処理能力などを仮定した仮想環境を構築し各処理場に対して廃棄物を配分するための手法を開発する。

【現状・課題】トラックの経路計画、廃棄物配分問題、搬送スケジューリング問題として、定式化を行った。具体的には、ワーシャルフロイド法による経路探索を行う手法を開発し、渋滞状況の考慮や運転手への負荷など意思決定者の判断に基づき走行距離または移動時間を優先した経路計画や震災による道路の寸断を考慮した経路計画を行えることを示した(図2)。今後は、より詳細な実環境運を考慮した環境を構築(運搬手段、経路探索・選択、オンライン処理)するための統合化システムの開発を行う。

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図2 ワーシャルフロイド法による経路探索

(4)要救助者の位置推定

【目   的】災害時において、要救助者を迅速に発見するためのシステムや要救助者からの救助信号を発信するための開発を行う。

【現状・課題】現在、無線通信技術をもつ企業と発電技術を持つ企業と連携して、緊急救難信号発信器を開発した。 具体的には、429MHz帯を利用した携帯用の小型無線モジュールと無線モジュールからの信号を受信する無線コーディネータから構成される。今後、圧電素子を用いた電池が不要なシステム構成について、さらなる検討を行う。

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