社会的弱者保護のあり方ユニット

テーマ:

高齢者・障がい児者等災害弱者が被災後,安全な避難から現状回復に
至る各経過フェイズにおいて必要な援助の在り方に関する研究

ユニット長:新田  収 教授

所属:

人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 理学療法科学域

H25年度研究進捗報告

 本ユニットでは、「東関東大震災により被災した障害児者を対象とした聞き取り調査」そして「荒川区在住高齢者を対象とした被災時ニーズ調査」を実施した。実施した調査は、

 ・全国比率生活支援センター利用者・特別支援校保護者を対象とした郵送調査
 ・東日本大震災、阪神・淡路大震災被災者への聞き取り調査
 ・荒川区在住高齢者に対するアンケート調査
である。調査内容としては、震災に対して何が準備されるべきか、そして震災の健康度に与える影響などを主とした。

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(1)調査概要

1)郵送調査
 協力が得られた施設は26施設(20.3%)

2)聞き取り調査、以下主な聞き取り施設
 ・福島県郡山富岡町郡山南応急仮設住宅
 ・宮城県石巻市石巻赤十字病院
 ・兵庫県西宮市社会福祉協議会 地域活動センター 青葉園

3)荒川区アンケート調査
 回答集計中(約150)

 

(2)調査結果要約

1)障害者、要介護高齢者、慢性疾患患者に関する問題点を以下に示す。

  • 震災直後、救急対応病院などに多くの要介護高齢者、慢性疾患患者が避難する事態が予想される。この時緊急医療機能を圧迫しかねない。
  • 避難所生活では、一般の被災者とは別のケアが必要であり、ある程度分離して収容する必要がある。もし分離しないとかえって一般被災者への対応が混乱する可能性がある。
  • 被災以前から日常的に関わる、支援センター、サービスステーションなどが被災時もケア継続することが望ましい。
  • 被災地では高齢者の健康度が低下しており、腰痛の発生率が高い。

 2)全般的な災害時の論点

  • 公共機関の充実を図るか、民間機能の利用、組織化を図るか
  • 情報に関しする問題
    a.被災時も情報手段確保
    b.混乱した情報の中から有用な情報を選択する方法
    c.情報が途絶えたとき、どのように行動するか指針を示すことが必要

 3)マニュアル

 マニュアルでは対応できない想定外の事態が起きた場合、どのように行動するか指針を示すことが必要。

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調査研究内容:

最も災害弱者であり震災後は困窮者である障害児者を代表例として、災害時および災害後におきた出来事を経時的に追跡することで、時系列で起こる問題点を整理する。また、都市部における代表的災害弱者高齢者が現状において想定する震災発生後の問題及び求める支援を把握し実際との差異を明らかにする。

  1. 東関東大震災により被災した障害児者を対象とした聞き取り調査
    本研究では震災以前から障害児者を支えてきた、「障害者総合支援本部」等の協力を得て福島県、宮城県を中心に障害児者の現状を調査する。調査は災害時および災害後に障害児者とその家族におきた出来事を経時的に追跡することで、時系列で送る問題点を整理する。このことで震災後の各相で障害児者に何が必要とされるのかを明らかとする。同時に解決手段として障害者福祉施設の役割について提言をまとめる。
  2. 荒川区在住高齢者を対象とした被災時ニーズ調査
    荒川区は高齢者率が高く、また老朽化した家屋が多いこと、避難経路に狭く入り組んだ路地が多いことなど、被災時危険度が高い地域である。当地域をサンプルとし、高齢者に対し被災後どのような支援が必要と予想されるかについて、聞き取り調査を行う。健康福祉学部は荒川区に立地し、地域との深い信頼関係が構築されており、調査の準備は整えられている。

メンバー:

  • 新田  収 教授
  • 橋本 美芽 准教授

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